木造は地震に弱い?
 
  
そんな疑問にわかりやすくお答えします。
  
 
 
木と鉄とコンクリート、一番強い材料は?
答えはです。
 
下の図をご覧ください。
木と鉄とコンクリートの強度を比べています。
 
 
なんと、木は
圧縮強度=鉄の2.1倍 コンクリートの9.5倍
引張強度=鉄の4.4倍 コンクリートの225倍
曲げ強度=鉄の15.4倍 コンクリートの400倍
  です。木はすごい強度ですね。 
 
実際に設計した木造と鉄骨の2階建ての柱の大きさを比べてみました。
 
 
木造は10.5センチ角、鉄骨造は25センチ角です。
コンクリートの柱はもっと太くなります。
 
 

 
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の家で、一番地震に強いのは?
耐震性能が同じなら、すべて 同じ強さです。
 
 
 「木と鉄はどっちが重い?」って聞かれたら、幼稚園児は「鉄」って答えるかも知れません。
でも、同じ重さなら同じですね。地震に対する建物の強度も、それと同じです。
同じ耐震強度で設計した建物は、木造でも鉄骨造でも鉄筋コンクリート造でも同じ強度なんです。
 
 

 
 
地震に強くしたい。一番安くできるのは?
木造です。
 
 
木造は壁をバランスよく配置すれば地震に強くなります。
壁の中に斜めの筋交いを入れたり、貫や格子を入れるだけです。
 
鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、柱を太くしたり鉄筋の量を増やすと地震に強くなりますが、
そのぶん建物は重くなり、鉄やコンクリートの材料費はもちろん基礎にも多額の費用がかかります。
 
 
写真は鉄骨造の作業場の基礎工事です。 
 鉄骨造は重いため、長い鉄の杭を何本も打ち込んでいますが、
この隣に建てた木造の店舗は地盤改良を施しただけです。費用はずっと安くできました。
 
 

地震は重さに比例します

 

地震の力は重さに比例します。
つまり、重いものには大きな地震の力がかかります。
そのため、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のような重い建物には大きな地震力がかかるのです。
 
 
地震に耐えるように鉄骨の柱を太くしたり、鉄筋の数を増やすとますます建物は重くなり、
大きな地震力が加わります。
 その結果、鉄や鉄筋、コンクリートの量が増え、基礎工事の費用も増大します。
 
 つまり、地震に強くするには木造が一番費用もかからず、適した工法なのです。
 
それでは、なぜ超高層の建物を木造を造らないのでしょうか?
それは、施工が大変だからです。
長さが何十メートルもある木はありません。
そのてん、鉄やコンクリートはどんな長い柱や梁でも造れます。
 
しかし、木造の技術が進み、今では高層のマンションや大規模なショッピングモールなどが、
木造で造られるようになりました。
「木造都市」という新しい言葉も生まれました。
 
軽量で強度が強い木は、地震大国と云われる我が国に最も適した素材なのです。